« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »

2012年3月21日 (水)

地歌「葵上」

ここ二、三年ずーーっと考え続けていました。「葵上」を最初からやり直したいと、、、「六条御息所幻想」を舞いはじめた頃から今までの振り付け、解釈ではこの「葵上」は舞えないと、、、でも中々手につかず、、、どこからどのように手掛けたらいいのか、、、本当に暗中模索!!!その間も様々な公演、新作の創り、特に「能を舞ふ」を創めたころから振りが徐々に変化して行きました。音に舞を流されず、、、歌に舞を重ねずに、、、無音を大切に、、、無音の中にある心の音に舞う役の心を見出すようにして行きました。舞い過ぎず、、、振りを重ね過ぎず、、、そうして幾つかの作品を創って行きました。

その中でようやく手掛けようと思いました。再びの「葵上」

創り始めて新たに気づいたのは、六条の哀しみです。作舞にあたりながら私に迫ってくるのは六条の哀しみです。深い、言い知れぬ哀しみ、、、我が心の内の情念を我が身が抑えても抑えようとしても燃え上がる炎、、、留めようとしても留められぬ自らの闇の思い。

狂おしいほどに源氏にすがり、留め置いてとの和歌を詠む。

深き哀しみの六条、、、その狭間に見え隠れする凍るような情念、、、

やっと、仕上がります。でもきっとこれからです。今はこの「葵上」に対峙し、舞う事の時のはじまり。

地歌の「雪」もそうですが、舞う度に変化して行きます。そして、次第に振りが簡素になって行く、、、「葵上」も変化し続け、、、六条の心に迫って行きたい!!!

そう思います。終わることのない道です。

|

2012年3月11日 (日)

青昇舞報告

いつもの「G桃源洞」での公演です。ここでは公演というよりもライヴの感覚に近いです。

私設のギャラリー(陳列の美術品の多くは世界各国の美術館へ収められている物ばかりです)ですから本当に少人数で観て頂き、一級品の美術品にふれて頂きたい!そんな場所でもあります。

やはり、、、晴れました!!!

今回は関西芸術座の藤田千代美さんに助けて頂いて「曽根崎心中」を致しました。

最初に男舞で「縁の綱」。これはほとんどは女舞で舞われる事が常ですが、、、私は待たせた女への思いを、逢いに行けぬ男の心を舞にしました。

今年は最初に「男舞」をそして「女舞」へと、、、様々な男舞と女舞で楽しんで頂けたら、、、嬉しいんですけれど、、、

男舞は着物は瑠璃色に京都の喜八氏の染を、帯は青竹色に龍の文様の帯。鬘は先日男舞用に結いなおして頂いた髷のついた洋髪(前は髷なしの行方不明の洋髪)。

曽根崎心中は着物は綸子に梅紫の濃淡、帯は黒字に紅白の梅の文様。鬘は京鬢の三ツ輪。

能管の音源に千代美さんの語りで、、、お初の思いを、、、死にゆく先への思いを込めて、、、来世を、、、来世こそはの思いを込めて、、、舞わせて頂きました。

新作を創るといつも思います。再演をし続けることで命を吹き込めると、、、

千代美さんとはこれからも新たな作品を共同作業で創って行きたいと思います。

そして、終了して皆様にご挨拶をさせて頂きました。通常の公演ではご挨拶は致しません。
でもここでは、皆様とお話をと思いそうさせて頂いています。

|

2012年3月 6日 (火)

成田屋の眼光

いつもその眼光に惹かれていました。團十郎丈の眼光は、、、深い無限の深さを湛えているように感じていました。そして、海老蔵丈の眼光、、、きっと成田屋のあの荒事の独特の見得故に研ぎ澄まされて行くのか、、、眼球の奥の筋肉の動きが尋常ではないのです。

海老蔵丈の眼光の光は狂気をはらんで美しい!!!それは本身の刀を抜き身のままに携えているような、、、近づけば人も傷つき自らも血を流す。そんな狂気を含んだ眼光。

團十郎丈の眼光の光は刀を鞘に納めてなお封印をしているような、、、覚悟の深さが、、、深海よりも深く、、、天を見上げれば天空を超え無限の彼方へと、、、一条の光が無限へと果てしなく広がって行く、、、人が持ちうる覚悟を超えてなお雄々しく美しい!!!

芝居を観る度に思います。

眼光のその先とその内なる深さが常軌を超えて行く、、、

狂気を孕みながら狂気を内に封印するその覚悟の内に武士(もののふ)が息づく。

眼光は命そのものなのかも知れないと、、、

|

« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »